禍津姫戦記
 ハバキにとっては初耳だった。だがそんなことがあったとしても不思議ではない。たしかに他の神に比べて、蛇神の声はよく聞こえもする。
 あらためて座り直すと、じっと姫夜をにらんだ。

「蛇神だけが承知したと云ったな」

「そうだ」

 ハバキはしばし考えてから、こう云った。

「聞きたいことがある。すこしの間だけ、クチナワと二人で話をさせろ」
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