禍津姫戦記
 蛇神のいうことはわかるようでわからなかった。いらだたしげに、問い返した。

「なにも変わらぬ、ということか?」

 蛇神は瞳をきらめかせ、こたえた。

「ひとつだけ、そなたにとってよいことがある。われがそなたの剣に宿ったならば、万が一、姫夜がこの地から消えたとしても、そなたにはこの者がどこにいるか感じ取ることができる」
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