〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「今のチームの中学部を引退したらどうするか。」
「どうするって?」

 一瞬では意味が理解しきれない。

 でも、なにか、珠理の心に迫るものが見える。

「来年の夏休み頃に中学部引退するでしょう。
 こっから先をどうするのか。」
「うん。」

 大体の意味が分かった。

 それは、珠理にとっては大きいことだと。


「このまま特に問題がなければ、高等部に上がるだろう。
 しかし、完全に高等部に上がりたいと思うか。」

「じゃあ、高等部以外の道って、どんなのがあるの?」

 この話は、前々から色んな人間から接的に聞かれてた。
 でも、今みたいに直接的に聞かれるのは初めてだ。

 急にこんなこと聞かれて、珠理の頭はパニック状態。


「・・・・・。う・・・ん。」

「珠理、もちろんこれは最終的には珠理が決めることだ。」

「うん。」

 いきなり難題を突きつけられて、急にこの道が真っ暗、何も見えなくなった。
 その表情は空より暗い。

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