狼くんと羊ちゃん
数分かけてやっとついた体育館裏。
でも、涙の姿はどこにもない。

帰っちゃったのかな…

自分、バカだなあ…
はやく行けばよかったのに…っ


「ふぇ……っ」


自然とあふれだす、なみだ。
どうして自分が泣いているのか分からない。
自分でもどうしていいのか分からない。



どうしてあたしは泣いているの……?



「なんで泣いているの?」


だ、誰!!?

奥のほうから一人の男の子がでてきた。
きれいな茶髪に女の子のように白い肌。くりくりとした目。
まるで、天使。

「な、なんでもないです!!」

つかざず、自分の顔を隠す。






「なんで隠すの?可愛い顔、見せてよ」



「い、嫌です……」



「どうして?」



甘いマスクであたしを見つめるなぞの男の子。
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