クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


「ちがっ…これは汗だよっ」


「このタイミングで?」


「うぐっ…そっそう!ここ暑いから」


「……そう」




山田くんの背中から離れて、わざとらしく手でうちわを作って扇いでみた。


あたしが気付かなかったのに、山田くんはエスパーなのか…?


ゴシゴシと涙を拭う。



すると、ぽつりぽつりと聞こえて来た言葉。





「…か……った」


「…え?」



「……また、泣かせたと思った」





え………?


振り向いた、山田くんの顔は苦しそうで。


儚げな雰囲気をまとうその表情に、心臓が静かに高鳴った時。





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