Alice-浮気女の決意-
ナオが“先生を呼んでくる”と保健室を出たあと、入れ違いでミヤが入ってきた。
入るなり抱きしめてくれて、涙まで流してくれた。
「……ごめんね」
ミヤに聞こえるか聞こえないかくらいの声だった。
それでもミヤは、首を横に振って
「……あたしの方こそごめん」
って言ってくれた。
「あたし、ミヤに嫉妬してたの」
ミヤともちゃんと話し合おう。
そう決意し、少しずつ話し始めた。
「ミヤといるときの方が、ナオの笑顔が多い気がして、何でミヤなの、って思った」
「……アリサ、あのね…」
「知ってたよ、ミヤがナオのこと好きなことくらい」
「……っ!!」
「だからこそ、嫌だったんだ」
ミヤにナオを取られそうで、嫌だった。
「アリサ…ごめん、本当にごめんね……」
ミヤはあたしの胸で泣いていた。
ミヤだけが悪いんじゃないんだよ。
あたしが弱かったから、いけなかったの。
「ミヤ。ナオの傍にいてくれて、ありがとう」