GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
私の田舎は冬になれば、真っ白な銀世界となる小さな村。



私は汽車から降り立った。



「!!?」


ひしめき合う人の群れを茫然と見ていたら、楼主の神居さんを見失ってしまった。



「何をしてる?小雪ちゃん」



「すいません…」



神居さんは人だかりの中で、棒のように立ち尽くす私の腕を掴んだ。



人の波間をすり抜けて、ようやく駅を出た。



「これが街…」






西洋の建物が並び、ガス灯が等間隔に並んでいる。


舗装された道を乗合馬車が往来していた。


歩いている人たちの服装も西洋風。





私の着ているのは家ではいちばんの高価な着物だけど。


目の前の人たちとは明らかに差があった。



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