GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~


「俺は花奏を心から愛してる…俺の為に花奏が命を失うのは耐えられない…」


「・・・お…前…」


「…俺は護りたいんだ…花奏を」


俺の牙で頚動脈を傷つけられたケルブの血は止まらない…


「…愛する…人を…護り…たい…分かる…」

ケルブは俺のキモチを理解していた。

「…待っていろ…」


俺はケルブを残して、皆の元に急いだ…

俺は千早に連絡をした。

俺はもしかしたら…命を失うかもしれない。漠然とした予感だったが。
見事に的中した。まさか…花奏まで死ぬかもしれないなんて。


俺にもしものコトがあれば、子供は俺の実家が引き取り、花奏とは離婚して…彼女を実家に戻すつもりでいた。


子に母が必要だが…
子は妖の血を引いている。安部家の者たちがそれ知れば…


子には悪いが…俺は花奏を護る為にあえて残酷な選択をした。



「例の手紙を花奏に…渡してくれ…千早」

俺はお付の千早に手紙を託けていた。





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