GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
「お帰りなさい…」



血の匂いが気になるけど、尭耶さんは私に柔らかい微笑を浮かべる。

尭耶さんは私を少しだけ抱き締め、身体を離した。


「…尭耶さん・・・知弥様は?」



爽爾さんが尭耶さんに問いかけた瞬間…分娩室の扉の向こうで赤子の産声が上がった。




「小笠原は…すまない。俺が非力なばかりに死なせてしまった」



尭耶さんは爽爾さんに頭を下げた。




「…冗談でしょ?」




「・・・本当の話だ…」



「あの人は…最強の陰陽師で…そんな馬鹿なコトって・・・子供…生まれたんですよ!!」



爽爾さんは頭を下げ続ける尭耶さんに食ってかかった。






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