GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
* * *

「ほら」


尭耶さんが私のブーツとバックを持って来てくれた。



「ありがとうございます」



厚保也さんは私の食べ終わった食事のトレーを持ち上げる。



「俺は診察あるから…戻るよ」


「サンキュー…厚保也」



厚保也さんは病室を出て行った。



「食欲はあるようだな。なら、回復も早い…」


私は尭耶さんからバックを受け取って、中身を見る。


スマホに化粧ポーチにスケジュール帳、ハンカチ、そして財布。



「俺が先に…君の身分証明書探しに見せてもらった…」



「!!?」


長財布の中身を見る。


入っていたお札の3万5千円がない!?



「将夫のヤツ!!?お金…抜き取ったのね!!」









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