君の隣で夢みた未来
あの子≪side T≫
私はコンビニまで走った。


実子が靴擦れを起こしてしまったから。


圭介が付き添ってくれれば、小さな実子は絡まれずに済むと思ったから。


夏の花火大会は変な輩が多いから。



コンビニを見つけた私は、光を見つけた虫のように、自動ドアに吸い込まれた。


最近のコンビニはちょっとしたものがすぐに手に入るから便利だ。


私は絆創膏と消毒液を持ちレジに並ぶ。


その時、飲み物のコーナーが目についた。


そういえば…。


私は比較的大きなバッグを持っていたけど、実子はピンク色の浴衣に良く似合う小ぶりな巾着しか持っていなかった。


必要最低限のモノしか持っていなかっただろう。


夜と言えども、夏だから蒸し暑い。


夜呼び出しているんだから、脱水症状とか起こされても大変だ。


私は変な正義感に駆られて圭介と実子の飲み物を選びレジに通した。


圭介には炭酸が強めなコーラ。


実子にはピーチ味のジュース。


あの子の浴衣の色のボトルに手を伸ばした。



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