君の隣で夢みた未来
思わず頬が緩む。


美咲さんと勝負をしているつもりではないけれど、少しだけ先輩と美咲さんの距離に近づけた気すらした。


頬杖をついて先輩の寝顔に見入るあたし。


大人っぽい先輩だけど、寝顔はなんだか可愛い。


あたしがお化粧してることも、洋服を大人っぽくしてみたことも気付いてはもらえなかったけど、この姿を見れたら、そんなことどうでもよくなってきた。


今、隣に居るのはあたし。


それは事実だもん。


束の間の幸せかもしれない…。


これを噛みしめなきゃね。



「…ん~…」



熟睡してしまっているんだろう。


微かにむにゃむにゃ言う先輩。


小さな子供が眠ってるみたい。



だから、あたし普段は言えないことを今なら言える気がしたんだ。


あの人みたいに呼んでみたいの…。



先輩の名前を。



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