幽霊の片想い

転校生



昼休み


先生が校長室に行ったきり
帰ってこないから


私は職員室を出て
ウロウロしてた


保健室は生徒でにぎわってるし
私は人気がない屋上へ行った


青い空
澄んでる風


すると隅にあの転校生がいた
私を見てまた同じ驚いた顔をした


「私のこと見えるの?」

「う、うん。教室の時も見えた」

まさか声まで聞こえてるなんて

「あなた、幽霊?」

「そう、5年前に死んで成仏せずにこの学校さまよってるの」
「そうなんだ。名前は?」

「仲島まりか、てかあなたに
私はどういう風に見えてるの?
私、今まで幽霊が見える人に
会ったことないから
どういう風に見えてるか気になって」


「普通の生徒みたいに見えるよ」

「そっか、てか私のこと怖い?」

「ううん、最初驚いたけど
でも優しそうだし
ねぇよかったら私と友達になって
なかなか友達できなくて」


クスッ
私は笑った
幽霊に友達になってって
あまりにも不思議だから


「ダメ?」

「ううん、全然。幽霊でもよかったらぜひ仲良くしよ」

「やった!じゃあまりかって呼ぶね、私はしずくで」


まさか幽霊の私に友達が
できるなんて

信じられないしあり得ない話
だと思った


でも話してみると
しずくは優しくてお茶目で
本当にかわいい子だった


昼休みが終わるまで話していた

チャイムが鳴って
しずくは
「まりか、これからどこ行くの?」

「えっと、、職員室」

「えっ、職員室!?なんで」

「ひみつ!!」

まだ私はしずくに
柴田先生が好きなことを言ってなかった


しずくは
「ひみつとかずるいな~じゃ放課後また屋上で話そう」
と言って

走って教室へ行った


昨日までは
昼休みずっと先生のそば
だったけど

しずくのそばも楽しいかも
と友達の良さを実感した


そして先生のところに
向かった


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