キミの前に夕焼け



確かに最近、ファッション雑誌とかもよく読むようになった。


前は寝癖を直すだけだった髪も、アレンジするようになったし。


颯くんに可愛いって思ってもらいたくてやっていた事。


だから恋をしたからってことで、間違いはないと思う。




「好きな人っていうか、その…」



あ、ちょっと照れる。

少し熱くなった頬。


颯くんの事考えただけで、ドキドキする。






「え、なになに!?」

「ホントに恋してたの!?」




「か、彼氏が…できた。」



とは言え、もう半年くらい経ってるわけだから今更な気もするけど……。



「えーっ!」
「いつから!?」
「誰!?この学校?」



質問攻め…。




軽くパニックになっていると、タイミングが良いのか悪いのか授業開始のチャイムが鳴った。



慌てて席に座ろうとすると、みんなに手をつかまれ


「とりあえずどんな人かだけ教えて!」



ってスゴい迫力で迫られたので。





「あたしには、勿体無いくらい素敵な人だよ」




とだけ言って席に着いた。




「「きゃーっ♪」」




そんなみんなの声を聞きながら、火照った頬を抑えた。





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