横で眠る「あなた」【未完】
第133章
大学3年のお正月に、私たちは婚約をした。
伊集院の親族全員が集まるお正月が、顔見せには、1番いいだろうという柚子さんの判断だった。

伊集院の中では、私は理先輩のプロポーズを断り続けてる女性とちょっとした有名人だった。
その女性を、やっと理先輩が、落したというので、私の顔を見たいと思っていた人が多かったようだ。

好意的な人もいたけど、そうじゃない人も、もちろんいた。
でも、理先輩のつきあいで、もう慣れたし、驚きはしなかった。


親族じゃない人でも、敵意をむき出しにする人もいた。
それが、ホテルの経営者の娘さんだった。
彼女が、「理先輩の幼馴染」だった。

そして、彼女はずっと本気で理先輩を好きだった。
でも、「幼馴染」以上にはして貰えなかった。

彼女からしたら、私はズルイ女で、悪い女で、理先輩が可哀そうという事になる。

そして、私と結婚しても、幸せになんてなれないと彼女は思っている。


でも、こればかりはどうしようもないと私は思った。
彼女に、理先輩を、譲ってあげるというわけにはいかない。

理先輩と幸せになるしか方法は、ないんだと強く思った。

理先輩に、そう話すと「イヤになったって逃げるのかと思った。」と言われた。
確かに、逃げるってのもあるのかもね。

でもね、理先輩の横を、他の誰かに渡せないんだよね。
だから、逃げないよと思った。
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