牙龍−元姫−





「(絶対)次に会ったときはゆっくり話そうね。(ほんの少しの間だけ)ばいばい!」





アタシは華麗にUターンし片手を上げ去っていった。揺れる黒髪が何と美しい。美化100%でキラキラと背景が光っている。


フッ。決まった……!


名残惜しいが振り返るな!振り返えれば台無しだぞ!次に‘偶然’会ったときに話かけるんだから!『運命だね』って!これぞ正に私と桃子ちゃんの青春LOVEストーリーの序章!!


べっ、別に死ぬ気でクラス探して無理やり‘偶然’を作ろうとか考えてないからね!








私は彼女を‘桃子ちゃん’だと本気で思った。可愛らしさも愛らしさもそっくりだったから。私の頭は素晴らしい事にゲームと現実をLINKさせていた。


だから私は気づかなかったし、これっぽっちも思いもしなかった。


桃子ちゃんが聞かされていたアノ‘例の女の子’だったなんて。




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