牙龍−元姫−








「今度はゆっくり来るといいよ」





少しだけ帰るのが名残惜しかったが、ドアを開けるときサンタのお爺さんにそう言われたためドアを潜る足取りは軽かった。



それと同時に次に来るのが楽しみになった。



勿論私は笑顔で『はい』と返事をした。



また来ます、そう声を掛けると来た道を千秋と戻って行った。



何故か不思議な事に帰りは行きしなとは違い、全く怖さなんてなく逆に晴れ晴れとした笑顔だった。そんな私を見て千秋も笑った。





「響子先輩と爺さんを会わせて良かったです」

「私も逢えてよかった」





本当に、この出逢いに感謝したいな。








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