牙龍−元姫−



瞑っていた目をゆっくりと開ける―――――――あの音は、拳を受け止めたときに出た音だったみたいだった。普通は橘さんが無事で安心している所だけど。







今の私は冷や汗が止まらない。

焦りや、後ろめたさからか。





どくん、


、ドクン、





鮮明に鼓動の音が聞こえる。周りが全てスローモーションに見える。私の視線はある一点に釘付けだった。





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