ルーズリーフ



私はため息をして

弟と一緒に賑やかな街に出かけた






「俺ら、周りから見たら

 恋人と思われてんのかな?」



「そうかもね。

 クリスマスに兄弟で過ごすのも

 けっこう珍しいことだし」



「・・・アイツは本当に何してるんだよ」



弟がいらだちながら呟く



「・・・さぁ」



また、ため息をしようとしたとき



「あーーーーーーーーー!!」



「・・・!?私?」



こんな街中で私を指さしながら

大声で叫んでいる男の人



・・・知らない人



「君、心ちゃん!」



「誰だお前?

 俺の心に何か用か」



弟が近寄ってくる男から

私を遠ざける



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