結婚できるの?
二人は車内の中央に進み、つり革に掴まった。

ラッシュ時ほどのギュウギュウ詰めではないが、隣同士の身体は触れてしまう混み具合。

毅が亜里沙の耳元で心配そうな声を出す。


「亜里沙ちゃん、大丈夫?」

「平気ですよ。朝のラッシュはもっと凄いし」

「俺の方が先に降りるけど、気をつけて帰ってね」

「はい」

「俺、酒臭い?」
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