結婚できるの?
ノロノロとキッチンへ進み、水道の蛇口を捻ったとき携帯が鳴った。

亜里沙はハッとしてベッドの傍まで戻る。

千香からの電話……。

着信を見て、かけ直してきたのであろう電話が鳴っている。

どうしようか一瞬だけ迷ったあと、亜里沙は通話ボタンを押した。


「……もしもし」


恐る恐る声を出す亜里沙。

相手の反応を待ちながら心臓はドキドキしていた。
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