私と彼の1年間
「彩乃、今時間大丈夫か?」

なんで、そんなこと・・・。

「え、あー・・・うん。ちょっとなら、ね。」

そう言うと、タケは安堵したように肩を下ろした。

「いや、さっき玄関行ったら宣伝してたから。忙しいのかなって・・・。」

「あ、うん。そう・・宣伝してたの。」


ちょっとの沈黙。

やだな。

別れてから避けてたもんな。

急に会話しようと思うと、なかなかできないな。


「よ、用ないならあたし行くけど・・・きゃッ!」


急に手を引っ張られた。

よろめくようにタケの腕の中に納まる。


「や、やめてよ・・・こーゆーこと。わ、別れたんだから。」

一生懸命離れようとするが、できない。

「なぁ、俺ら自然消滅だったろ?だったらさ、ヨリ、戻そうぜ。な?」







あぁ・・・今一番、言われたくないな。この言葉。

なんで、言っちゃうのよ。ばかタケ。
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