ふたつの背中を抱きしめた



お陽様は、皆を平等に温める。


誰のものにもならない。


例えどんなに焦がれられたとしても。



私はそれを、知っている。

だから、こんなにも哀しい。



半年前まで

私はただの女の子だった。


綜司に恋をして胸をときめかせ

幸せな結婚を夢見る、ただの女だった。


それが今

こうして2人の男に焦がれられ求められ

それに応えるために刹那のぬくもりを与えるだけの存在になった。



柊に言われて分かった気がする。

私達が今誰も救われない理由が。



彩ちゃんの言う通りだ。

もうきっと愛じゃない。恋じゃない。



傲っていた。

ただの女なのに。

2人を守りたいなんて。




お陽様になんか、なれるはずが無いのに。




< 239 / 324 >

この作品をシェア

pagetop