ふたつの背中を抱きしめた





「真陽、これどう?」



--また始まったぁ。



大勢の人で賑わう休日の街。


綜司さんが足を止めたのは今度はブランドショップのショーウィンドウの前だった。

…さっきはジュエリーショップだったよね。


「ほら、真陽。これ。」


綜司さんがニコニコと指差した先には、可愛いけれどもとても御立派そうなバッグが。


そして、私のバイト代では半年掛かっても手が届きそうに無いとんでもないお値段の値札が仰々しく鎮座していた。



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