今でもあなたを愛してます。
「……俺さ、家族いねんだよ。」

「え…?」

あたしは急に言われて
びっくりした。

家族が…いない?どーゆ意味?


「俺がガキの頃。親父もお袋も死んだ」


え…。

「心中だよ。俺を残してな」



「そんな…」


「お前の悩みなんか、どうせ
家族のことだろ?」

「……大切にしろよ」

あたしはどうしよーもなく
涙が出てきた。


あたしよりこんな…。


「あたし…家族に愛されてないの」

「…なんで」

だめ。言ったら軽蔑される…。

「…言いたくないなら言わなくていい。
だけど、俺は何を知っても離れて
いかねーよ。」


なに。なにこいつ。なんなの。


でもあたしの口は勝手に
喋っていた。

「あたし…中学のとき中絶してんの。
お腹に赤ちゃんできちゃって。それで
ぎくしゃくしてて」

「うん」

「あたし…いらない子なの。
必要とされてない。汚れた人間。
だから…この世にいちゃ…だめなんだよ」


気がつくとあたしは
メイクが落ちていて涙で
顔が汚れていた。


「…誰がいらねーって言った。」

「え…?」


「今日からお前は俺のものだ」

あたしは何を言ってるのか
さっぱり分からなかった。
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