恋 の 欠 片

委員会と恋心

「おはよ」

げた箱で靴を履き変えていると後ろから声を掛けられた。

この掠れたちょっと高い声は!

ハルだ。いつ見ても本当可愛いな。

「おはよ」

「今日の学活さ、組織決めだけどひなたは何委員会に入るの?」

「うーんと、文化祭実行委員会とか」

というと、ハルは笑顔で

「そういうの好きそうな顔してる」

と言った。

「どんな顔だし。ハルは?」

と聞くと、

「俺はね、」

とハルが言おうとした瞬間、私は転けてしまった。

かなり話に夢中になりすぎて足元まで神経がいかなかったんだ。

あちゃー。

ハルがびっくりしてこっちを見ているよっ。

・・・かなりやっちまった!

とりあえずなんか言っとこうかねえ。。。

「ハルとの話に夢中になりすぎちゃって・・・」

といって笑う。
今の私の顔、絶対困り笑い状態だ。

ハルは私の前まで来て、
手を差し伸べてくれた。

悪いなと思って「大丈夫」と言って立とうとすると、

「んな訳ねぇだろ」
と言って私の手を強引に、でも優しくとって立たせてくれた。ハルの顔を見ると少し赤かった。なんか、ハルかっこいい。ううん、かっこかわいい。
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