失恋はっぴーえんど


「別にモテてねーよ」


そう言い残して、その場を去った。
あいつがああいう話題を持ちかけたら、
散々からかわれて終わるから。


敷地内にある自動販売機で
ホットココアを買って、携帯を開く。



今日誘ってもらった彼女の番号を―


「...あ。」

そうだ。

「俺番号知らないじゃん。」


誰も居ないところでは、思ったことが口に出る。
きっと彼女との話が耐えなかったからだろう。

ささいな事でも口にすれば、
わざわざ来て返事をしてくれた。
< 11 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop