涙空
顔を上げる。
お母さんが言ってた…?そんなこと言ったの?…驚いた。
私の顔を見て、お父さんは続きを話し始めた。
「…自分が悩んでたときに、この曲を聴いて頑張れたからって」
「…、」
「由奈が言ってたこと思い出したから、佳奈に弾いたんだよ」
「…お母さんが言ってたから?」
ぎゅ、拳を強く握る。
伸びた爪が皮膚に食い込もうが、そんなの関係なかった。
知らなかったことを知ったとき、どんな顔をすればいいのかわからなかった。
喜ぶべきなのか、
泣くべきなのか。
…それとも怒るべきなのか。