恋が生まれる瞬間
通学電車
電車の中は、中途半端な時間のせいもあって、ガランと空いていた。


4人掛けシートの窓側に鳴瀬君、斜め前に私が座る。



さっき変な間で電車に乗ることになっちゃたから、電車が発車して10分たっても私達に会話が無い。






――どうしよう、あと1時間以上もこの沈黙が続くのかな…






「窓、あけていい?」


「えっ?あ、うん」


私の返事を待って、少しだけ開けられた窓から、涼しい風がヒューッと入ってくる。

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