恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~

「先生、いつから写真週刊誌のカメラマンに転職したんだよ」

「だって七森くんと白石さん、あんまりいいムードだったから。ウケケ♪」

「先生っ…」

あたしは恥ずかしくてほっぺたのあたりがポッポッしてきた。

「あのさ、先生。生徒のツーショット写真撮ってるヒマがあったら、早く自分の結婚相手を探したほうがいいんじゃね? イヒヒ♪」

照れ隠しなのか、ふざけた感じでそう言うと委員長はさっさとどっかに行ってしまった。

「もォ、あのコ、生意気なんだから!」

「フフッ」

先生には悪いけど、怒ってる先生を見てると、ちょっとおかしくて笑っちゃう。


6年2組の委員長――七森将児くんはウチのクラスのムードメーカー。

だから今まではクラスのみんなを笑わせるお笑い芸人みたいなヒトだと思ってた。

それに、あたしのリボンを取ってイジメるキライな男子だとも思ってた。


たしかにそのとおりなんだけど……でも、小学校生活最後の遠足の日を境にして、あたしの中でなにかが変わった――――
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