【続】私は彼氏がキライです!?
新幹線を降りて改札に向かう。
二人分の荷物を左手に持って前を歩くアツが、振り返る事なく右手を後ろに差し出した。
その手をギュッと握ると、同じ様に握り返してくれる。
「アツも実家帰るの久しぶりだよね?」
「春以来だな。実家っつっても俺が住んでた訳でもないしなぁ。帰るって感覚は正直まったくない」
お父さんの仕事の都合で高校生の頃からひとり暮らしのアツ。
それでもやっぱりお父さんとお母さんが住む家がアツの実家である事には違いない。
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