プレシャス・ラブ ♪
飲みが、お開きになる頃には、既に雨は止んでいた。


「じゃぁ、また。」


「またね、バイバイ~」


俺はスミレと放れたくないって気持ちを隠して、
家の門扉を開けるスミレに手を振った。


でも、俺は酒に酔っていたのかも知れない。


門扉が開く瞬間に、俺はスミレを後ろから抱き締めていた。


スミレの家の前で、両親にこんな姿を見られたら大変だ。


俺の信用性が無くなる…!!


俺の頭と
俺の気持ちと
俺の行動。

通信回路が閉ざされたらしい。


全部バラバラだ。



「どした~?」

スミレの声で我に帰った俺は「わりぃ」ってスミレを放したんだけど、
そんなの後の祭りだ。


「スミレの事、好きになっちゃた~?」


笑いながら口を開くスミレ。


何で、今そんな事訊くんだよ?


ガラにもなく、ドキドキしてるじゃねぇかよ。








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