情炎の焔~危険な戦国軍師~
ゲーム機に入っているカートリッジは「飛燕の如く舞え~女武者戦国記~」というもので、架空の女主人公が戦国時代を駆け抜けるストーリー。


川中島の戦いから大坂夏の陣までの戦シナリオが収録されている。


そしてこのゲームに私がハマった最大の理由は、武将達が魅力的なデザインだということだ。


「俺が援護してやる!安心して進め!!」


十字型の槍と六文銭がトレードマークの熱血な真田幸村様。


「私の愛、今こそ示して見せましょう」


兜に愛の文字がキラリと光る直江兼続様。


「あなたは私が守ります。絶対に」


紳士的な上杉謙信様。


「君がいなかったらきっと負けていたね。ありがとう」


爽やか好青年タイプの明智光秀様。


「べ、別にお主のことなど気になっておらぬ」


ツンデレだけど麗しい容貌の石田三成様はネットを見る限り、一番人気。


といったように1人1人見事にキャラが立っている。


おまけに皆、乙女ゲームと勘違いするほどイケメン揃いな上に思わせぶりなことを言う。


中でも1番私が気になっているのは…。


私は関ヶ原の戦い(西軍)のシナリオを選び、戦が始まる前の会話イベントを見た。


関ヶ原の戦いに関する武将達が出てきて「家康は…」などと話している。


「あ、旦那。今日も良い男だねえ」


ゲームにも関わらず、思わず声をかけたのは長い黒髪に筋肉質な体つきをした、野生的な風貌の島左近だった。


島左近。


元々筒井家に仕えていたけど、当主の筒井定次とそりが合わずに牢人(仕え先をなくした武士)となる。


その後、いくつもの大名の誘いを断りながら最後は石田三成に仕えることに決める。


そして天下分け目の大合戦、関ヶ原の戦いでは多くの武功をあげながらも死んでいった。


ゲームながらその生き様を見てすっかり惚れ込んでしまい、関ヶ原や島左近の本をいくつも買って読みあさるほど私はこの武将を気に入ったのである。
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