情炎の焔~危険な戦国軍師~
「そんな。私なんて」


「自分を卑下してはいけませんよ」


「私、別に可愛いわけじゃないですしこれといった特技もないですから」


左近様の視線を避けるようにフイと横を向く。


すると。


(え?)


髪が柔らかく撫でられた。


驚いて思わず左近様を見ると、優しく微笑んでいる。


「あんたはそう言うが、俺は悪くないと思いますがね」


「…っ」


やだ、心臓がどんどんうるさくなってきた。


恥ずかしくて何も言えないでいると、左近様は色香の漂う笑みを浮かべる。


「それくらいで恥じらうなんて、ずいぶん男慣れしてないんですね。あんただって年頃の女でしょう?」


「わ、悪かったですね」


どうせ私は彼氏いない歴21年ですよ。


「悪くありませんよ。むしろ、俺は慣れていない女の方が好きですね」


「そうなんですか?」


「まあ、あくまでも俺の好みですから。こういうのにも、慣れておかないといけませんよ」


次の瞬間、私は左近様の胸に抱かれていた。
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