情炎の焔~危険な戦国軍師~
第8戦 友衣と左近のデート?な1日
「あー、あー、暇だなぁ」


ある日の昼下がり、私は庭に面した廊下に座ってぼやいた。


修行は終わったし、仕事は夜からでいいと言われている。


いや、本当はもっと修行してもいいし、仕事だって今から始めたとしても問題はないのだが、なんだか今日はだるい。


五月病でもなさそうなのに。


「人の部屋の前で騒ぐな、バカが」


いきなり後ろの障子が開き、不機嫌そうな三成様の顔が覗いた。


「はっ、失礼しました」


慌てて居住まいを整える。


「せっかく休みを与えてやったのだ。そんなに暇なら城下町にでも行ってこい」


「いいんですか?」


「ああ。廊下で騒がれるよりよっぽど良い」


「う…」


相変わらず容赦のない御仁だ。


「左近」


「お呼びでしょうか」


部屋の奥に控えていたらしく、左近様が来た。


「お前は友衣について行ってやれ。こいつ1人だと何をしでかすかわからん」


もう!


人を何だと思ってるのよ!


「わかりました」


こうして私と左近様は城下町へ遊びに行くことになった。
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