情炎の焔~危険な戦国軍師~
「…」


直後、恥じらいのあまりうつむいた。


「俺は」


「…」


「俺はあんたにしか興味ない」


それを聞いて思わず顔を上げる。


「だから侍女達に嫉妬する必要なんてありません」


「はい」


嬉しくなって自然と笑顔になる。


「友衣さんは大切な…」


そこでいつになく顔を赤くして黙ってしまった。


あれ?


「左近様?」


「と、とにかくそれが言いたかっただけです」


いつも余裕の左近様が頬を染めて慌てている。


「左近様、何を焦っているんです?」


「べ、別に焦ってなんか」


「目が泳いでますよ」


「っ!」


目をぱちくりさせた左近様を見て私は大笑いした。


「あっはっは。嘘です」


「もう。悪い冗談はやめて下さいよ」


「いいじゃないですか。いつも左近様の方が私をからかってるんですから、これくらい」


するとなおも左近様は顔を赤くしたまま言った。
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