小さなあくび。
それは、突然だった。
昴兄の帰省自体珍しいのに、
女の人を後ろに連れていて
少し罰が悪そうに、母さんに彼女を紹介した。
さぁちゃんは、
また泣かなくちゃいけないのか。
大好きな大好きな
昴兄の結婚。
受け入れられないだろうね。
「笹にいつ言うの?」
「うーん。」
気が進まないような、
微妙な返事。
「俺、笹んとこ行ってくる。」
「ちょ、、!慶っ!」
少し焦ったような
いつも冷静な昴兄には珍しい声を出した。
さぁちゃんを傷付けるのが怖いんでしょ?
ずるいだろ、そんなの。