小さなあくび。


まだ、家についたわけではなくて

小さめのパーキングエリア。





「なんで、泣くの?」





そう、言われて

自分が泣きそうになっていることに気付いた。






「まだ泣いてな、い」



昴兄の前では、泣きたくないのに。





優しくされたら、

わたしは、



私は。










とっても、みじめ。












「笹、なんで今日、俺が笹とデートしたと思う?」





なんで、そんなこと言い出すの?


あたしをこれ以上、苦しめないで。





あたしが、昴兄を好きだから

それが昴兄にはわかるから


最後のわがままを叶えてくれたんでしょ?















「自分勝手極まりないんけどさ、


笹のこと、吹っ切るためなんだ。」







「へ?」





吹っ切る?













「好きだった、笹のことが。」









< 33 / 66 >

この作品をシェア

pagetop