笑う門にはオレ様がきた!!
ダメだよ。


何か、言わなきゃって
思うんだけど


何も口から出てこない。


ああ、これかぁ。


嬉しくって言葉に出来ない事
って本当にあるんだね。


感謝の気持ちを伝えようと思うのに
言葉にならないから
思いきって私から師匠のほっぺにキスをする。


すると、不意打ちのキスに
師匠がすごく驚いた顔をする。


「ったく…しゃあねぇなお前は…」


そう言うと師匠は両手で
私の頬を包み込み


優しいキスを返してくれる。


暗がりの中、
キャンドルの灯りだけが
私たちと水槽を照しだす
見ているのも魚達だけだ…


無数の魚たちに囲まれて


まるで海の底に潜ったような
錯覚に落ちそうになる 。


幸せすぎるよ…


師匠からの優しいキスを、
受けながら


最高に幸せな気持ちで
私はクリスマスを迎えていた。















これが師匠と過ごす
最初で最後のクリスマスになるなんて








この時の私には想像も出来なかった。







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