笑う門にはオレ様がきた!!
「なごむ…」


あれだけ注意されても
ほとんど呼んだことのない
師匠の名前を口にしてみる。


その瞬間、
後ろからギュッと抱きしめられた。


振り向かなくても解る。


男の人にしては
少し甘めの
あの香りがするからだ。


「なごむ…」


もう一度呼んでみる。


返事の代わりに
更にギュッと抱きしめられる。


私たちは初めて結ばれた時の様に
その場でまた抱き合った。


お互いの温もりを感じ合うことで


気持ちを確かめ心を重ねていく。


その夜、
私は抱かれながら
愛しい人の名前を何度も何度も呼んだ。







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