笑う門にはオレ様がきた!!
オレは携帯を取り出すと、
どうしても消すことが出来ずにいた
ある番号をコールした。


番号が変わってないことを祈る。


ワンコール


ツーコール


「お久しぶりです、和さん。」


思わず顔がゆるむ。


「オレからだってよく解ったな。」


「登録消してませんから。」


なるほど、


オレも番号変えてなかったっけ?


「っで、
忙しいの承知で言うけど
ちょっと付き合えよ。」


「ちょっとと言わず
とことん付き合いますよ。


うちは大きなコンペ
獲り逃したとこですからね。


時間ならいくらでもありますよ。」


相変わらずだな、
昔っから減らず口なのは。
全く、変わらないな。


まぁ、その減らず口が
心地よかったりもするんだけどな。


オレは待ち合わせ場所に向かうため


微かに心音の香りが残る
愛車に乗り込むと
漸く、空港を後にした。






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