笑う門にはオレ様がきた!!
その瞬間ーーー


「これはオレのだ。」


って言うと、あっと言う間に私は
師匠の腕の中に収まっていた。


「へぇ…、
和さんが特定の子に
執着するなんて珍しいですね。
ますます、次のコンペ
負けたくなくなりました。」


どこまでも
強気の態度を崩さずに
そう言ってニヤリと笑うと
須磨さんは行ってしまった。


なのに私は
まだ、師匠に抱きしめられたままで…。


師匠……ち、近いですよ。


とも言えず
ただ黙ってそのまま師匠の胸に顔を埋める。


師匠の香りを私の鼻がインプットする。








漸く

「わりぃ……」

と言って師匠の胸から解放される私。


けれど
私の鼻には男の人にしては
甘めの師匠の香りが
ハッキリとインプットされたままだ。






< 58 / 212 >

この作品をシェア

pagetop