♀めい☆こん♂

新規 お客様カルテ:春日井 灯(カスガイアカリ)様

 無我夢中でただひたすら上を目指して光の指し示すままに泳いできたので、どのくらいの時間がたったのかまったくわからないけど、先程感じた息苦しさや激痛は次第に薄れてきて…不快な機械音も遥か遠くの彼方で微かに聞こえていた。
そんな…最中目指す水面の光は…近づいていくたびに神々しく輝きを増して…なんだかとても安らかな気分に包まれていくような感覚だった…。

 そんなありがた~い光に導かれて私は…光の先を漂う水面の向こう側よりなにやら不思議な釣糸が垂らされているのを発見…!?

 えっ…!?
どうみても釣糸に見えるけど…!?


 私は…目をパチクリと見開き自分にと真っ直ぐむかって垂らされている釣糸を発見し…思わず動揺しているのも束の間の目の前に垂らされた釣糸は…やがて私の体に突然まとわりつき絡まりはじまる。

 やだ…!?何これっ…!?

 まさかの展開に私はパニックに陥り、釣糸を外そうと試みたが…無念にも釣糸は絡まり逆に私の体をきつくしまりつける結果に発展…。
まさに絶対絶命の大ピンチを迎えた…。

締め付ける糸に体勢を失い…私は水中をただもがきつづける…。

先程せっかく薄れてきた息苦しさや激痛…今度は得体の知れない倦怠感にも体を支配されてゆくようにも感じる…。

 ああ…私…。
このまま死んじゃうの?
まだ…幼い頃からの夢叶えてもいないのにそんなのイヤ~(>_<)

 悲痛な思いに私は…釣糸を握りしめた…。

 釣糸は…私の体を締め付けながらどんどん…私の体を上空へと引き上げていくことになっているとは…まさか…夢にも思わず悲壮感に酔い潰れ最後の時をまさに迎えようとしていた矢先のこと…。

 バシャーン…。

 光る水しぶきとともに体は宙に浮きあげられ…私は水中より上空に投げ出されていた…。

 一体…何が起こったのかはわからないけど…私の体は再び水中へダイブ…。
一度再び…水中へ潜ると今度はゆっくり引き揚げられる感覚を感じる…。
 再び…水中から水上へ引き揚げられた…私に…ゆっくりと差し出された白い手…。
 私は…その白い手をしっかり掴みゆっくりと白い手の先を見上げるとそこには…私と同じくらいの女性でなぜか黒い喪服をきた女性が私にうっとりするような澄んだ眼差しの目を細めて微笑んだ。

 「春日井 灯 様で間違いありませんか?」

 その女性は…うっとりする視線で私に癒し系の笑みを浮かべつつ柔らかい物腰で尋ねた。

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