どうぶつ童話集。
 

ぺんぎんは真っ逆さまに割れた氷の大地の下へ、海の中へと落ちてしまったのです。


驚いたぺんぎんは必死で海の中を羽ばたきます。


するとどうでしょう、氷の大地の上では飛べなかったぺんぎんが、海の中ではスイスイ飛べるのです。


「ボク海の中を飛んでるっ!!」


ぺんぎんが嬉しくて海の中を飛び回るとあの優しいイルカがやってきました。


「ぺんぎんさん、怪我はもう治ったんだね」

「うんっでもね、ボクお空を飛べなくなっちゃったんだ」


ぺんぎんがシュンとして言うとイルカは首を傾げました。


「お空を飛べないとダメなの?ぺんぎんさんは今とっても上手に海を飛べてたじゃないか」

「本当?ボクは上手に飛べていた?」


イルカはにっこり笑って頷きます。


ぺんぎんは嬉しくなってイルカといつまでも、いつまでも海の中を飛び回りました。


 
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