君一色
気付いたらいけない・・・
和音side*
—————————————
「じゃあ、あとは出願するだけだから。」
「はい、お願いします。」
十月に入ってすぐ、入試の手続きをしに
あまり得意ではない教務室を訪れていた。
周りの人たちよりも一足受験が早い私は今から不安と緊張でいっぱいだ。
そんな私の様子を見て、担任は言う。
「私、南さんには心配はしていないわ?だから落ち着いて頑張ってね。」
「———はい。」
なんだかそう言われると凄く落ち着く。