愛し愛されて。



「この服可愛いね!」


「えーあたしはこっち派かな。」

「絵美はボーイッシュだなぁ。でねでね、この服ほしいんだけど高いんだよね…」


「高いなら杏里、彼氏に買ってもらっちゃえば?」



私たちは昼休みに
ファッション雑誌を読んでいた。


杏里がほしいだのなんだの
騒いでいる。



「将、意外にけちなんだよなぁ。」


「そうなの?」



将は杏里の彼氏。
ヤンキーの分類に入るのかな?


「へぇ、将くん意外だね。」


「でしょ?いいよね、奈々は~!大好きな優ちゃんねぇ~」


「な///やめてよ!」



なにを言い出すんだ!
照れるではないか ←



「うぃーす!奈々いるかー?あ、奈々いたいたぁ~」



優ちゃんが窓際の席に
近づいてきた。



「ほらほら~、噂をすれば!」



「あたしら行くね。じゃあね!奈々!」


「え?杏里!恵美~」



あー行っちゃった。



「よぉ!何へこんでんだよ。」


「ぃた。」



優ちゃんにデコピンされた。



「ごめんごめん。俺、話あってきたんだけど。」



優ちゃんが私の前の
席に座った。



は、話?

ま、まさか…



「な、なに?」



わ、別れるとかじゃないよね?



「今度の日曜さ、デートいかね?」



え?で、デートか。



「あ、行く行く!」



ふぅ、焦った。



「ん?どした奈々。」


「あ、いや話あるってちょっと変なこと考えちゃってたから。」



「変なこと?」


「えと、わ、別れ話とか…」



すると優ちゃんは
ニカっと笑い、



「ばーか!俺が奈々と別れるわけねぇだろ?」


「う、うん。」


「ったく。奈々は心配性なんだよ。」


「だ、だって。」



不安になるときあるよ?



「安心してろ。俺は奈々を裏切るようなことはしねぇから。」


「うん!」



私の心の声
聞こえたの?





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