黒猫ライアと白猫アイラ 【短編】


『アイラ、アイラ。』


黒猫ライアがアイラを呼ぶ。


「なぁに?ライア。」


白猫アイラがライアに問う。


『何だか寒い。』


ライアの言葉にアイラはひとつ溜め息を吐くと、ぴゃっと何処かへ走っていった。


「はい、ライア。」


白猫アイラは捨てられてあった毛布をライアに掛けた。


『ありがとう、アイラ。』


黒猫ライアは毛布にくるまって温かそうだ。


白猫アイラは、そんなライアをじっと見ていた。


『アイラは入らないの?』


ライアが訊くと、アイラはふわりと笑った。


「寒く、ないから。」


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