二重人格な後輩
俺が避けられてて苦しいのに、なんで桃の方が俺より苦しそうな顔するわけ?
なんで?
「聞いてやるから、な?」
「っ……だい、じょうぶっ。あたし、用事あるから、もう行くね」
桃はミルクティーの代金だけ置いて席を立つ。
その金を持って桃に、返す。
「俺が払うからいらねぇ。あと、話はまだ終わってない」
「ご、めんねっ……」
「おい、桃っ!!」
俺のひきとめる声にも、反応せずに走って出て行った。
最後に見た桃の顔が、あまりにも苦しそうで、今にも泣き出しそうで、俺は追いかけることもできずにその場に立ち尽くしていた。