二重人格な後輩
「……大好き」
今現在、桃が俺のこと好きって言ってくれればいい。
これからの未来を桃と描いていけたら、それでいい。
ゆっくりと歩いていた足を完全に止め、桃の手を離して髪が崩れないようにしながらも、引き寄せる。
お互いが求めるように、キスを繰り返す。
何回も何回も。
桃が苦しくなっていても、俺を受け入れようとしてくれるのが嬉しかった。
桃の甘い声が響く。
やっぱり、俺には桃だな。
今は今。過去は過去。
俺は今を大事にしたいから。
「桃、大好きだよ」
できるだけ優しく、桃の耳元で囁く。
「涼太くっ……」
桃は泣きながら、俺に抱きついてきた。
これからは全部、俺のものだから……。