二重人格な後輩



驚いたような桃に、安心させるように少しだけ微笑む。




「……桃、辛かったね」



吉田はうるうるした目を桃に向ける。


純なんて、もう目が真っ赤だ。




「優しい桃のことだから、いろいろ考えただろうね」




吉田の優しい声に、桃は俯く。


きっと、涙を我慢している。



「でもね、もう一人で抱え込まないで。私や赤松、上崎もいるんだから。いつでも頼って。私たちは桃の味方ってこと、忘れないで」





「リカッ!!」




桃は、目に涙を溜めながら、何回もお礼を言った。



こうゆう時くらい泣けばいいのに。


強がるんだな。




でも、それが桃らしい。





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